昨今は新築マンションにおいても大幅な在庫処分値引きを行うケースがさすがに増えてきているものの、それでもまだちょっと手がでない。
そのため、「狙うなら中古マンションだ」と考えている方も、実のところ多くいらっしゃることでしょう。
ただし、中古マンションを狙う場合に注意しておくべきことは、新築マンション以上にいくつもありますので、数回にわけて解説いたします。
中古マンションをプロがすすめる理由
マンションの管理関係者を中心とする不動産のプロのなかには、購入においては新築でなく、中古物件をことさらにすすめる方も、少なくありません。
その最大の理由としては、実際に現物を確認できることで、住んだときの生活イメージがわきやすくなることです。
建物がまだ建っていない「青田売り」の新築マンションなどと比べて、細かい点までリアルなイメージをつかみながら、プラス面とマイナス面を比較してチェックすることができるからでしょう。
たとえば、実際に部屋の中から見た街並みや、建物のある地域の周辺のスーパーや公園などの施設の状況とその使われ方、マンション管理を請け負っている管理会社の業務状況、常駐している管理人の対応の様子、そして住んでいる住民の質や、早朝のゴミだし時におけるマナーなど。
まさに目に見て、すべてを確認することができます。
また、実際に暮らすマンションの住人を訪ねてヒアリングし、「住んでいる隣の部屋からの音のもれ具合はどうですか?」などと、生きた情報を仕入れることもできます。
これは、新築マンションではちょっとできない芸当ですよね。
中古マンションのメンテナンス状況の調べ方
さて、中古マンションを選ぶ場合に最も気になるのが、マンションの築年数でしょう。
世間一般で俗に「マンションは管理を買え」と言われている通り、マンションの本当の寿命と耐久性は、使用された建材や施行の状況だけで決まるものではありません。
そもそも、一般的な鉄筋コンクリートマンションの耐久性は、65年くらいといわれています。
しかしこれも、修繕が定期的になされ、メンテナンスが適正に行われたうえでという、条件付でのことです。
メンテナンスが行き届かないマンションは、建物本体の劣化、そして住環境の荒れ具合という二つの意味において、65年どころか、今後何年持つのかさえ、誰にもわからないのです。
加えて、数年後に大規模修繕の話が持ち上がったとしても、管理不行き届きのマンションであれば、購入前の重要事項説明で説明された金額から、修繕費用がいったいどれぐらい追加で上乗せされるか分からない...といった不安も、後々に出てくる恐れを抱えることになります。
(中古マンションの「管理組合」「修繕積立金の滞納」は購入前に調べる。 ご参照)
このような理由から、中古マンションの選択肢は、築年数だけをことさら気にすることをやめ、マンションの管理・修繕といった「メンテナンス」の部分を優先チェック事項としていくほうが賢明でしょう。
メンテナンスの状況については、中古物件の仲介業者、マンションの管理会社、そして最後に現在そのマンションに住んでいる複数名の住人、この三者のところに直接足を運んだうえで、話を聞いてみるのが良いでしょう。