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贈与税と住宅取得資金、マンション購入者が知っておきたいポイント。


住宅の購入・改修資金などにかかわる贈与税の非課税枠」が、現在の(贈与税が課税されない上限額である)基礎控除枠110万円に特別に1,500万円がプラスされて、「最大年1,610万円までの贈与が非課税」となりました。


ちなみにこの特別にプラスされる金額が1,500万円であるのは、2010(平成22)年12月31日までの贈与です。

2011(平成23)年中の贈与(2011年1月1日~2011年12月31日)においては、500万減って「1,000万円」になります。

つまり2011年(平成23)の贈与税非課税枠は、「基礎控除枠110万円とあわせて、最大1,110万円」になります。


一戸建てのみならず、マンションの購入・リフォームにかかわる親の資金援助においても、もちろん使える制度です。

これは住宅需要の刺激を目的として、当初は2009(平成21)年から2年間限定の措置として新設された制度でした。

2010年度の税制改正で、もう一年間延長して制度を存続させただけでなく、非課税の枠も大きく広げたわけです。


ちなみに贈与を受ける人は、「贈与を受ける年の1月1日において20歳以上で、しかもその年の合計所得金額が2,000万円以下」でなくてはなりません(他にも以下のような、細かな適用要件があります)。

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税[贈与税](国税庁)


注目すべきは、この加算される「1,500万円(2011年は1,000万円)の贈与税非課税枠」については、「相続税との通算がなく、独立したお金として贈与を受けることができる」点です。


相続時精算課税の特例」というものがあり、これは親から子への贈与については、一定の非課税枠内の金額(最高で4,000万円まで。2011年は3,500万円まで)なら「贈与時には課税せず、実際に相続が発生した段階で相続税で精算する」という制度です。


この「相続時精算課税の特例」と上で述べた「贈与税の非課税枠」を使うのと、一体どちらを使うのが得なのかは、購入予定者がおかれた状況によっても異なります。



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2011(平成23)年以降に親からマンション購入資金として1,000万円以下の金額を援助してもらえる見込みなら、この「住宅の購入・改修資金などにかかわる贈与税の非課税枠」を、ストレートに利用できます。

しかし贈与してもらえる額が1,000万円を超えそうな場合、これは上で述べた「相続時精算課税の特例」と照らしあわせ、双方をきちんと計算した上での損得計算が必要になりますから、税理士など専門家に相談するのがよいでしょう。


「相続時精算課税の特例」を利用する場合、贈与分の金額は相続時に相続財産に加算されて(相続税が)計算されるので、これは本質的には「課税分の繰り延べ」になるわけです。


今回の贈与税の非課税枠は、将来に引き継がれるものではない(相続時に金額が合算されて、相続税を計算されることがない。ただし、相続前3年以内の贈与は除かれます)ので、2011(平成23)年中に住宅資金として1,110万円までの贈与(非課税枠1000万円+基礎控除枠110万円)を受けられるチャンスがあるならば、おそらくは利用するほうが恩恵を受けられることになるでしょう。


しかし今回の施策では、まず住宅購入資金としてこの金額を贈与してくれる親や祖父母がいることが前提となること(そのため「金持ち優遇策」との批判もあがっています)、贈与資金が数千万円以上など大きくなる場合は「相続時精算課税の特例」のほうが減税効果が高くなる公算が高いので、今回の措置の利用者は最終的にそう多くならないのではないか...とも言われています。

いずれにせよ上で述べた特例は、この先住宅取得・改築にかかわる贈与を親などから受けられる可能性のある人に限って、関わりのある話です。


金融資産の6割近くは60歳以上に集中しているとのことですが、これら高齢者の保有資産を子や孫の住宅購入を通じて流動化したいという、国の思惑がみてとれる施策ですね。


中古・新築マンションをこれから購入しようとする層で、今回の贈与税の非課税枠の恩恵を受けようとする人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか。

後日になんらかの検証が成されることでしょうが、その利用動向には注目しておきたいものです。



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