マンション購入の鉄則の一つですが、「そのマンションだけを見ていてはダメ」です。
これは新築マンションにおいても、中古マンション購入においても同様です。
問題は、購入するマンションだけではない
たとえば、自分が購入を予定する部屋は「眺望が良い」という触れ込みだったが、隣に空き地があり、自分の入居後にそこに自分のマンションよりさらに高層のビルが建ち、日光がすっかりさえぎられるだけでなく、隣から丸見えの状態となったために、日中の多くの時間をカーテンを閉めたまま過ごす羽目になった。
このような話は、日常茶飯事です。
その他にも、日中は静かだと思っていた道路において、夜間の交通量が激増する地域であったことから、深夜の騒音で、耐え難く眠りを妨げられるとか、エントランスが地盤より低いために、豪雨発生時に一階部分が水浸しにあった、などといった話もあります。
販売する不動産会社は、マンションそのものについては現況、そして近い将来の事実関係についてはつつみ隠さず話したとしても、当然ながら商売でもあるために、顧客の不安感をいたずらにあおる懸念のある「あるいは起こる可能性のある問題」については、後日説明責任が発生しそうな大きな問題などを除いて、まず自分のほうからは、積極的に説明はしてこないものです。
自ら現地に出向き、納得いくまで調べる
したがって自衛策としては、マンション購入のメドをつけた物件において、まずは自分が現地に出かけることが必要です。
近隣のマンションを自分の入居マンションに見立てて様子を探ってみたり、近所の人に住みやすさなどの話を聞いてみたり、朝昼夜、晴天の日と雨の日と、時間や気象条件の異なるタイミングで出かけたり、あるいは周辺の商店街の状況をチェックしてみます。
すなわち、何度も通い詰めるぐらい、調査のために時間を費やす覚悟が必要になります。
用意周到な準備と細心の注意、そして想像力を駆使する
とりわけ、まったく土地勘の無いところの物件を購入する場合などは、それぐらいの慎重さがあってはじめて、ほぼ満足のいく物件購入ができるものと、気を引きしめてかかるようにしましょう。
一生に一、二度しか経験しないであろう、何千万、あるいは億単位の商品「実物を見ずに」買うという行為の重大さをあらためて深く心に刻み、考えられる限り用意周到に、臆病なくらいに用心深く、さらには大胆に想像力の翼を広げ、マンション購入という人生の一大事業にとりかかっていただきたいものです。