中古マンションは、青田売りをする新築マンションと異なり、実際に実物を見ることができるのが大きなメリットと述べましたが、中古マンションの購入検討段階で行いたい、マンション建物の内外のチェックについて、述べておきます。
購入検討中の中古マンションの居室にお邪魔して実際に調べるにあたり、現在も居住者がいる場合には、礼儀をわきまえたうえで、その住み心地について自分なりに納得がいくように、細かい点まで調べさせてもらうようにしましょう。
現在の居住者においても、売却を真剣に考えているのであれば、購入前の調査に対する熱意については、きっと理解を示してもらえるはずです。
室内のチェックポイントについて
購入検討物件となる居室に入るときには忘れずに、間取りのチェック用の図面と、計測のためのメジャーを持っていく必要があります。
できれば、朝方・昼すぎ・夜と、日当りや室内温のチェックも兼ね、時間帯を分けて複数回往訪して調べたいものです。
基本的なチェック部分として、まず設備面、とりわけキッチンや水道・給水設備、トイレの水回りなどの排水・排気面が生活の基本ともなりますので、よく調べることが必要です。
水道に関しては、水の味が変だとかいうことのないよう、実際にコップで飲ませていただきましょう。
他にも、ガスの容量、またブレーカーで電気の容量(40アンペア以上はほしいところ)を確認します。
さらに、今日ではインターネット環境も大事ですので、光回線の導入状況と可能性などについても、確認しておきましょう。
マンションでは設備の増強工事などは、建物全体の容量が決まっているために、管理組合に届け出て承認を得てからでないとできないのが通例です。
とりわけ中古マンションについては、全体の容量がさほど大きくないため、設備の増強工事そのものができない場合もありますので、管理組合などに確認するようにしましょう。
加えて、室内の湿気の状況や、万一の天井の雨漏りがないかなどの確認、さらには室内の動きやすさ、子供がいる家庭においては室内の安全性など、住む人数と世代に応じた生活導線の状況がどうなりそうかについても、家族がそこで朝・昼・晩と過ごした時のイメージを頭に描きながらの、チェックが必要です。
バルコニーなど、室外チェックも忘れずに
室内だけに目がいって、うっかりバルコニーなどの室外部分のチェックを、漏らすことが無いようにしたいものです。
バルコニー部分においては、ひび割れなどその痛み方のチェックが必要です。
外部の騒音や窓を開けた時と閉めたときの状態、部屋からの眺望の確認などは皆さんしっかり行われるでしょう。
しかしそれ以外にも、日照量がどうか、日の差し方が時間と共にどう移りかわっていっているかについても、特にお子様の成長や冬場の暖房費の問題などにも間接的に影響してくるため、確認しておくことが大切でしょう。
また、外からその部屋をみた場合、一体どう見えるのかといった点についても、防犯やプライバシーの観点から、忘れずチェックしたいところです。
全体的には、現在お住まいの方がどう思い、何に満足して何を不満と思っているか、また不便と感じている部分について現状どのように対応しているかについては、細かい点であっても質問し、自分として納得がいくようにする姿勢を持ちたいものです。
むろん、必ずしも真実を語ってくれるかどうかはわかりませんので、ある程度話を最初から割り引いて聞く必要がありますし、疑問に思った点については、直接自分の目で確認すればよいことです。
次のコラムでは、室外から離れ、マンション周辺の外回りのチェックポイントを確認します。